2019/01/13 20:17
ローフードの調理法は、食材のポテンシャル(潜在能力)を最大限に引き出すために、食材を茹でる、揚げる、焼く、煮る、などの火を通す行為をせずに、自然のままの状態に最も近い形で摂取する、非加熱の調理法です。
湯煎で温めることもしますが、その温度は48度以下までとされています。なぜ48度なのかというと、それぞれの食材には酵素というものが存在し、酵素は種類により48度前後から壊れ始めその効力を失ってしまうからです。
「酵素」という言葉が出ましが、ローフードは「酵素栄養学」という学問に基づき成り立っている調理法です。酵素栄養学について簡単に説明すると「酵素」とは人間が生命活動をする上で、代謝やと言った古くなった細胞を入れ替えたり、食物を体が吸収しやすい形に分解したり、不要物や毒素を排泄したりと言った、生命を維持する活動における一連の化学反応全てに必要不可欠な物質なのです。
そしてこの酵素には、体の中で製造される「体内酵素」と摂取できる「食物酵素」の2種類があります。また、人が一生涯に生産できる体内酵素の量は個人差がありますが、決められています。年をとるに従ってその生産量は徐々に減り、ついには生産されなくなります。それが死です。
ローフードでは食物の持つ酵素を可能な限り摂取し、摂取された酵素は、その食物自体の消化酵素となるため、そのぶんの体内酵素の消費を抑えることが可能にあり、その結果、限られた体内酵素を節約し有効活用することができるのです。
ローフードとは文字どうりraw(生)、food(食べ物)という意味です。一般的な食生活の中で、ある一定の割合(50〜75%)で非加熱調理された食事を取り入れるというのが、そのスタイルです。生食以外の部分については特に食のスタイルに制約などはありません。芋類など根菜類、穀類、肉、魚は加熱をしないと消化に悪いので、それらを加熱した料理とローフードを好きなスタイルで組み合わせるのです。
食物を生で食べる生活をしていると、食べ物自体の味をダイレクトに感じることができるので、より自然な味を好む味覚に変化していきます。すると化学調味料や合成保存料、香料、着色料などが添加された食材に対して違和感を覚え、結果、食材を購入する際に、産地、製造過程、原材料表示を意識するようになります。
つまり、今、ここで、目に見えている以外の部分に対して意識的になり配慮をするようになっていくのです、それは食生活のみならず、生活の全てにおいてそのような物の見方をするようになっていきます。
ローフードは単に健康を意識した食スタイルではなく、最終的ににはライフスタイル、生き方なのです。
光がいっぱい詰め込まれたローフードで、生き方も輝かせてみましょう。
( 福島民報新聞2018年掲載文より Raw hanaho主宰 森奈穂)